中国の上海で見かけた集団で行う気功の効果。

私は今から10年前、仕事の関係で中国の上海にいました。

仕事のない休みの日に上海市内を観光したいと思っていたので、あるとき魯迅公園に行ったのです。

その時、少し異様な風景を目にしました。

それは老若男女が公園のあるスペースで、格闘技でも始めるような構えをとっていたからです。

それこそが、私と気功との出会いでした。

簡単にいえば、気功とは人間の身体に備わっている気の流れを整える作業です。

中国の気功の考えでは、身体にはチャクラというエネルギーが流れており、身体のあちこちに存在する門を開けば、その気の流れをコントロールできると考えられています。

西洋医学を学んだ人間にとって、この考えは受け入れ難いものです。

西洋医学の世界では外界と通じているのは皮膚であり、エネルギーという漠然とした概念を理解することは難しいのです。

気功に関して私は、身体の動きと呼吸の動きを統一することによって、肉体の調子を整えるといういわば健康のための体操あと思っていました。

しかし気功は、ただのラジオ体操とは違うようなのです。

3千年の歴史を経て受け継がれた由緒ある動作なのでその辺にある健康エクササイズとは一線を画すなにか、が存在しているのは間違いありません。

その魯迅公園で行われていた気功に私もドサクサ紛れに入り込み一緒に動きを真似て、気功モドキを演じてみました。

気功のやり方でわからない点については、その時現地の中国人に聞いて教わったのです。

そこでわかったのは、呼吸をする際のポイントは武術に似ているということです。

合気道などをやる場合、丹田と呼ばれるお臍の当たりに意識を集中させて呼吸をすることを求められます。

気功も同様に、丹田当たりに気を降ろしていくための動作を行うのです。

ですので、最終的に武術も気功も辿り着く場所は同じなのではないか、と思われるのです。

私は剣道や合気道を通じて、お腹の下あたりに意識を集中させる方法を習得したのですが気功も同様に気を丹田当たりに練るという点で共通していたことに驚きを隠せませんでした。

結局、気功も武術も格闘技も、大事な基礎となる土台となる呼吸のコントロール方法は変わらないのかもしれません。

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